第29期棋聖戦 挑戦手合七番勝負

三勝三敗のタイで迎えた最終決戦、第29期棋聖戦挑戦手合七番勝負(読売新聞社主催)第七局は、3月16日・17日に静岡県駿東郡小山町の「経団連ゲストハウス」で行われ、黒番の羽根直樹棋聖が262手までで4目半勝ちを収め、四勝三敗で今期の七番勝負を制しました。

序盤、白番の結城九段は右上隅で意欲的なハサミ返しから隅へのツケで右辺に勢力を向け、右下隅の黒一間高ガカリを厳しくハサむ作戦を採ります。これに対し黒番の羽根棋聖は右下隅だけで手堅く治まる形を選択し、両者ともに時間を掛けてのやや慎重な打ちまわしかと思われる中で、36手目を結城九段が封じて一日目を終えました。

二日目、結城九段の封じ手は左上隅への穏やかな大ゲイマガカリでしたが、ここも大きな波乱はなく、焦点は左下隅および左辺へと移ります。そして下辺に黒が模様を築いたところで、右辺および左辺で黒の利かしに対し、じっくり力を蓄えていた白が打ち込んでいき、この白のサバキがポイントになるかとも思われましたが、こちらもすぐに一段落してまたゆったりした流れへと戻ります。

その後、上辺と右下隅で白石の眼形をにらんで多少の競り合いもありましたが、最終局ということもあってか激しい戦いには発展せず、間合いを保ってのにらみ合いのようなヨセが続く中、最後は羽根棋聖が4目半を残し、一進一退の攻防だった七番勝負に終止符を打ちました。

羽根棋聖は第五局でカド番に追い込まれましたが、その後第六局・第七局と連勝、昨年初めての棋聖を獲得したときと同様に最終局を制して初防衛を飾りました。また結城聡九段そして関西棋院勢悲願のタイトル奪取はなりませんでした。

最後になりましたが、結城九段が挑戦者に決定して以降、関西棋院のほうにも様々な形で多くのご声援を頂きました。この場を借りて深くお礼を申し上げさせていただきます。ありがとうございました。

棋聖挑戦に寄せて

第29期棋聖戦の挑戦者決定戦で、結城聡九段は山下敬吾九段を下し、見事挑戦者に名乗りをあげました。

棋聖位への挑戦は、関西棋院勢としては第1期の橋本宇太郎九段(対藤沢秀行九段)以来の快挙です。

結城九段はこれまで第22期碁聖戦(平成9年、対依田紀基碁聖)、第27期碁聖戦(平成14年、対小林光一碁聖)と二回にわたりタイトルに挑戦。しかし、いずれも涙を飲んでいます。果たして今回が "三度目の正直" となるか。

結城九段の棋聖戦リーグ入りは今回が初めてでしたが、いきなりの挑戦者に。そういえば第1回 JAL スーパー早碁でも、初代優勝者になっています。

最近はめっきり "初物" に強くなった結城九段。その勢いに期待は高まる一方です。

七番勝負日程・結果

対局日 対局場 結果
第一局 1月12日(水)・13日(木) 新潟県新潟市 / ホテルオークラ新潟 羽根棋聖の白番中押し勝ち
第二局 1月26日(水)・27日(木) 鳥取県湯梨浜町 / 望湖楼 結城九段の白番中押し勝ち
第三局 2月2日(水)・3日(木) 北海道函館市 / 湯の川温泉 ホテル平成館 羽根棋聖の白番1目半勝ち
第四局 2月16日(水)・17日(木) 長崎県諫早市 / ホテルグランドパレス諫早 結城九段の白番中押し勝ち
第五局 2月24日(木)・25日(金) 三重県志摩市 / 賢島宝生苑 結城九段の黒番中押し勝ち
第六局 3月9日(水)・10日(木) 神奈川県箱根町 / 環翠楼 羽根棋聖の黒番6目半勝ち
第七局 3月16日(水)・17日(木) 静岡県小山町 / 経団連ゲストハウス 羽根棋聖の黒番4目半勝ち

プロフィール

羽根直樹棋聖
  • 羽根 直樹(はね なおき) 棋聖
  • 三重県出身
  • 1976年(昭和51年)8月14日生まれ
  • 1991年(平成3年)入段
  • 2002年(平成14年)九段
  • 日本棋院中部総本部所属
  • 1995年(平成7年)第26期新鋭トーナメント戦 優勝。
  • 1999年(平成11年)第40期王冠戦 王冠位獲得。
  • 1999年(平成11年)第24期新人王戦 準優勝。
  • 2000年(平成12年)第15期 NEC 俊英トーナメント 準優勝。
  • 2000年(平成12年)第25期新人王戦 準優勝。
  • 2001年(平成13年)第27期天元戦 天元位獲得。
  • 2002年(平成14年)第49回 NHK 杯トーナメント 準優勝。
  • 2002年(平成14年)第43期王冠戦 王冠位獲得。
  • 2002年(平成14年)第28期天元戦 天元位防衛。
  • 2003年(平成15年)第25期鶴聖戦 準優勝。
  • 2003年(平成15年)第12期竜星戦 準優勝。
  • 2003年(平成15年)第44期王冠戦 王冠位防衛。
  • 2003年(平成15年)第29期天元戦 天元位防衛(3連覇−通算3期)。
  • 2004年(平成16年)第28期棋聖戦 棋聖位獲得。
  • 2004年(平成16年)第11期阿含・桐山杯 全日本早碁オープン戦 優勝。
  • 2004年(平成16年)第45期王冠戦 王冠位防衛(3連覇−通算4期)。
  • 棋聖戦各段戦優勝1回。
  • 棋聖戦最高棋士決定戦出場1回。
  • 棋聖戦リーグ在籍4期(うち棋聖1期)。
  • 名人戦リーグ在籍2期。
  • 本因坊戦リーグ在籍2期。
結城聡九段
  • 結城 聡(ゆうき さとし) 九段
  • 兵庫県出身
  • 1972年(昭和47年)2月11日生まれ
  • 1984年(昭和59年)入段
  • 1997年(平成9年)九段
  • 関西棋院所属
  • 佐藤直男九段門下
  • 1990年(平成2年)第15期新人王戦 準優勝。
  • 1991年(平成3年)第24期早碁選手権戦 準優勝。
  • 1993年(平成5年)第18期新人王戦 優勝。
  • 1995年(平成7年)第28期早碁選手権戦 優勝。
  • 1996年(平成8年)第40期関西棋院第一位決定戦 優勝。
  • 1997年(平成9年)第22期碁聖戦 挑戦。
  • 2002年(平成14年)第27期碁聖戦 挑戦。
  • 2003年(平成15年)第25期鶴聖戦 優勝。
  • 2003年(平成15年)第1回 JAL スーパー早碁 優勝。
  • 棋聖戦最高棋士決定戦出場4回。
  • 棋聖戦各段戦優勝6回。
  • 棋聖戦リーグ在籍1期。
  • 名人戦リーグ在籍1期。
  • 本因坊戦リーグ在籍4期。

2004年成績

※2004/12/15時点

対戦成績

羽根直樹棋聖−3勝 / 結城聡九段−1勝

対局日 棋戦・段階 内容 対局場
2000/11/16 第56期本因坊戦リーグ 羽根直樹八段 中押し △結城聡九段 関西棋院
2003/1/13 第16期世界選手権戦最終予選 △羽根直樹天元 中押し 結城聡九段 日本棋院中部総本部
2003/2/24 第25期鶴聖戦決勝 △結城聡九段 中押し 羽根直樹天元 日本棋院東京本院
2003/4/3 第42期十段戦三次予選 羽根直樹天元 中押し △結城聡九段 日本棋院中部総本部

(左側が勝者、△印先番)

応援ツアーご案内

第29期棋聖戦第二局 応援ツアー詳細

※たくさんのご声援とご協力とを頂きまして無事終了いたしました。ありがとうございました。(1/28)

このたび関西棋院では、鳥取県東伯郡湯梨浜町「望湖楼」で行われる第二局につきまして、結城聡挑戦者の応援ツアーを企画いたしました。

棋聖戦という大舞台、なおかつ関西棋院の棋士が28年ぶりに登場する今回の七番勝負の雰囲気を、間近で感じられる絶好の機会をぜひお見逃しなく。

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